カペル橋

スイスの「ローゼンガルト・コレクション」はピカソ作品を多く展示する意外な穴場

スイスの中央部に位置するルツェルンは、湖にかかるヨーロッパ最古の屋根付きの木橋・カペル橋がランドマークの、中世の街並みが残る都市です。

 

カペル橋

 

ローゼンガルト・コレクションは、ルツェルン駅からほど近い新市街に建つ、2002年にオープンした旧スイス国立銀行の建物を利用した美術館です。

画商のアンジェラ・ローゼンガルトさんが父娘2代で集めたコレクションを展示している美術館で、2008年にはルツェルンの別の場所にあったピカソ美術館のコレクションも一緒に展示されるようになりました。ピカソ美術館にあった作品は、もともとローゼンガルト家がルツェルン市に寄贈したものです。

アンジェラさんの父・ジークフリートさんはドイツ出身のユダヤ系画商で、ドイツでギャラリーを開く叔父ハインリヒ・タンハウザーの代わりに1920年、ルツェルンで画廊を開きました。ハインリヒ・タンハウザーのコレクションは、現在、ニューヨークのグッゲンハイム美術館のタンハウザー・コレクションで見ることができます。

ジークフリートさんは、同じくドイツ出身のユダヤ系画商でパリ在住のダニエル・ヘンリー・カーンワイラーと長年の友達でした。

キュビスムの発展に貢献し、ピカソ(picasso)の画商としても名高いカーンワイラーとの友情に感謝し、画廊で1956年から1971年にかけて8回のピカソ展を開催。ローゼンガルト家はピカソのもとを頻繁に訪れるようになり、ピカソはアンジェラさんの肖像画も描きました。その肖像画はローゼンガルト・コレクション内で見ることができますよ。

ローゼンガルト・コレクションの1階のフロアにはピカソの作品が約180点展示されています。なかでも、晩年に描かれた32枚の油絵が見どころです。

1968年に描かれた『パイプと花を持った紳士』や1969年に描かれた『レンブラント風の人物とアモール』などは、とても80代後半で描いたとは思えないような力強さにあふれています。

他に、画家とモデル時代の原点になった作品・1950年の『画家の肖像(エル・グレコによる)』、1960年に描かれた画家とモデル時代の作品『マネの『草上の昼食』より』、マリー・テレーズを描いた1938年の『花の前の麦わら帽子をかぶった女』、1943年の『ドラ・マールの肖像』など、アンジェラ・ローゼンガルトさん父娘が気に入って手放さなかったコレクションが展示されています。

 

 

 

デヴィット・ダグラス・ダンカンが撮影した200枚の写真も展示されていて、ピカソの素顔をかいまみることもできますよ。

ローゼンガルト・コレクションはピカソと共に、パウル・クレーの作品が多く展示されていることでも知られています。
また、セザンヌ、モネ、マティス、ブラックなど21人の近代絵画の画家の作品も展示されているので、スイスを訪れる際にはぜひ立ち寄って見てはいかがですか。